同人音楽とVOCALOID

2009 年 1 月 31 日 | カテゴリー: 中の人の戯言

どうもどうも.音楽担当のじゃんく♂です.
せっかくの数少ない音楽担当ということで,今日は同人音楽のことをちょこっと書きたいと思います.まぁたいした事ではありませんが.

先日(というか昨日),巡音ルカが発売されまして,某ニコニコできる動画サイトなんぞには早速多くの作品があげられていました.
ここ最近のコミケ等を見ても分かる通り,VOCALOIDの人気というのは目を見張る物があります.
この現象には僕も消費者の立場から,そして製作者の立場両方からとして喜ばしく思っています.

同人音楽界が活発になったため,単純に良い作品が多く見つけられるようになったというのもありますが,それ以上に同人音楽界で1つの「受け入れられるジャンル」が誕生したというのが大きいです.
知人のDTMer(この呼び方って流通してるのかな?)も言っていましたが今までは正直よっぽど名のあるサークルでなければ,同人音楽でオリジナルを作ってコミケなりなんなりでいきなりぽんと作品を発表してもほとんど見てもらえなかったと思うんですよ.

同人音楽といえば「東方アレンジ」みたいな流れが確かにありました.イベントでの東方とその他のサークル数,また会場での賑わいからもそれが分かるでしょう.
だから,より確実に手にとって貰うためには東方でやるしかなかった.実際「東方やっときゃ売れる」という話も聞きますし,僕も実際アレンジCDを作ってイベントに出た時の売れ方は予想以上で驚きを隠せませんでした.

まずは東方で知名度を高めてから,それから初めてオリジナルで本当にやりたかったことをやる.そういう思いを持って東方でやっていたサークルさんは少なからずあるでしょうね.この業界に精通している人なら何サークルかの名が頭に浮かんだと思います.

が,その状況を打破したのが初音ミク初めとするVOCALOID(以下便宜上「ミク」とする)です.
人気爆発の経緯にはここでは触れませんが,ミクの台頭によって同人音楽界に1つの光明が見えました.

そう「オリジナルでも売れるようになった」のです.

今まではボーカルを雇って(あるいは自前で)オリジナルのアルバムを出しても,前述したような状況でした.しかし,今では「ミク」という媒介を通す事によってそれがファンに物凄い熱狂とともに受け入れられるようになったのです.

ある意味で,ミクのオリジナルには二次創作性があるんですよね.本来はツールであるミクがその役割から離れ,まさにヴァーチャルアイドルとして外面化することによって,1つの「初音ミク」という作品が作り上げられジャンル化され,皆がそのジャンルの中で自由に曲を作ったり同人誌を描いたりしているのです.
この,二次創作性を持った限りなく自由なオリジナルが作れるという状況.やはりミクが媒介として共通項になっているというのは大きいですよね.

今までは知らない人がボーカルをやっていた曲でも,それがミクなら買ってもいいかな……そんな風に考える人も少なくないでしょう.だってミクは「自分が知っている大好きな歌い手」なのですから.
これは一見,ミク曲を人間に歌わせようとするいわゆる「歌ってみた系」の人気とは逆行する現象かもしれませんが,そんなことはありません.

そんなわけで,ミクの人気によってオリジナルボーカル曲に日の目が当たり万々歳という感じなのですが,やはりインストをメインとしてやっている僕のような人からすると,この現象がインスト界でも起こらないかなぁ,と思ってしまうわけです.
実際,SHIKI氏やOSTER project氏のように「ミクで知名度がより上がってインスト曲も多く聴かれるようになった」という事も起こっていますが,これは本人達が意図したかどうかは別として前述した東方とオリジナルの関係と同じ構図ですよね.
ですから,インスト界(?)にも何か共通の媒介項のようなものができればいいのですが……あ,もちろんオリジナルのですよ.
ヴァーチャルアイドル的なDAWでも出ればいいのでしょうか.あ,でもFL-chanとかJAMバンドとかがすでにあるか…….

僕はと言うと,別の方向として「ゲームに使ってもらうことで聴いてもらう」という道を選んでここにいるのですけどね.
「永遠のSOの下に」での音楽は僕がまだまともに音源を持っていなかったり作曲を始めたばかりのものだったりという理由で胸を張って薦めることはできないのですが,今後にご期待くださいね♪ということでひとつ.

以上.じゃんく♂でした.それではまた次の当番のときにお会いしましょう!

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