サマーウォーズ読んだよ

2009 年 9 月 19 日 | カテゴリー: 中の人の戯言

世間では人気のようですね「サマーウォーズ」。私もノベライズ版を買って読みました。映画も見に行きたかったんですけどね……、夏は忙しかったので行けませんでした。
で、読んでみて――  面白いですね!この本。
感想というわけではないですが、所感をちらほら……。またノベライズ版についての話なので、映画とは違うかもです。「サマーウォーズ」の内容に(ほんの少し)触れるので、一切のネタバレがいやだという方以外は以下の段へ――∫

∫―→話の中で、2056桁(おそらく10進数)の暗号が出てきます。これが世界中ほとんどの人が利用するシステムの暗号であり、もっとも安全なセキュリティという触れ込みだったようですが、その主張には多くの視聴者が疑問を持つことでしょう。実際劇中で主人公が暗号を解いてしまいます、それも手計算で。ここで新たな疑問→「約2000桁の暗号は手で解けるのか?」、ということで少し調べてみました。

現実世界で安全といわれる暗号といえば素因数分解の困難さを基にしたRSA暗号が考えられますが、今回の暗号は擬似乱数暗号のようです。キーワードを特定の手順に基づいて、(おおよそ)ランダムな数字に変換する方法です。ならばもし暗号化の方法が雑であって、平文(暗号化前の文)が短く意味を成す文であれば、人間が手計算で解ける可能性は出てきたわけです。まぁこれでは安全なセキュリティとはとても言えないわけですが……。

さて翻って現実世界ではどうでしょう。巨大な数の素因数分解は実際的な時間では困難だからRSA暗号は安全、セキュリティは万全だぜ……と思っていけません。素因数分解を手当たり次第に行った場合は確かに膨大な時間がかかるでしょうが、現在でも比較的効率のよい解法は出てきていて将来的には完全解読されてしまうかもしれません。そうなると預貯金の消失や機密情報の流失が恐るべき範囲で起きることになります。劇中で描かれていた事は決して空虚な脅しではないんですね。デジタルを過信しすぎてもいけないということです。

……ということをもってオンライン決済はあまりしたくないという言い訳にしたいと思います。

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