ストーリー

大陸のどこかにそびえる時計塔。

それはいつ出来たのか、誰が建てたのか解らない程に古く、
それは頂上があるのか、辿り着けるのか解らない位に高く、

誰も中に入らないし誰も中に入れないという。
誰も中に入れないからその中を知る者はなく、しかしそれでもまことしやかに囁かれる噂がある。

曰く、時計塔の頂上には一つの大きな時計盤があり、それに進めることで未来を見れ、戻すことで過去を知れるという。

「これが噂の時計塔?でっかい。そしてたっかい。本当にこの中にあるのかしら。噂の時計盤。」
噂の時計盤を求め、時計塔を見つけた強気で勝気な少女、ロージャ。

「おい、待て待て。解んねえか?中、うじゃうじゃいるぜ。お前なんか、ぱくりだ」
そしてそこに現れた、銀色の毛並みをした人語を話す犬、ガロク。

理由はちがえど、同じ目的を持つ一人と一匹。
時を超える力をもつという時計盤があるという塔の中へと踏み込んだ彼らが、頂上に辿り着いたとき――