あれは2年前、とある王国でのことであった。
一瞬の隙を突かれ、突如として闇に包まれてしまった都があった。都の名をラシーという。
そこは朝も昼もなく闇に包まれ、闇から生まれた得体も知れぬ者たちに蹂躙されるようになった。

精強を誇った軍も敗れ、ある者は闇に飲まれ、またある者は散り散りになっていった。
そしてここにそれを良しとせぬ一人の男がいた。名をジョルジュと言う。
この者はかつて王国王女の新鋭隊長としてその勇猛さを轟かせた戦士であった。

しかし名声を支えたその王国も今となっては瓦解寸前となり、
すべてが終わったかに見えた。だが彼は諦めてはいなかったのだ。
彼は仕えし者を忘れられるほど強くなく、また決して忘れぬほどに強かったのである。
彼はこの2年間まさに闇雲に鍛錬に励んだ。

・・・しかし相手は得体も知れぬ闇の使者。無情なことに彼の剣が敵う相手ではなかった。
そこに幼き頃よりの彼の理解者、一人の司祭が現れた。名をアリウスと言う。
彼が差し出す光の玉に、現れたるは一筋の希望。それは小さな少女の姿をしていた。

「私？私はねぇ、ユピーっていうの。」

さあ若者よ、ロゴスは与えられた。後は紡ぐだけである。
王国の復活を目指して、失われた友を求めて、そして何より愛しき者を迎えに、闇を照らし、
光の道を進むのだ。

――――――――　fiat lux(光あれ)!!　――――――――