季節は、夏。 舞台は、とある海辺の、小さな街。 高校に進学するとき、僕は東京からこの街に引っ越してきた。 海が綺麗な街で、海沿いの道は、心地よい波音に包まれている。
最近、少し気になることがあった。 それは、僕の友人の、怜奈のこと。 夏休みに入ってから、どうも彼女の様子が、少しおかしいような気がする。
彼女が海を眺めているときの、瞳の色。 その哀しそうな、寂しそうな瞳の理由を、僕は知りたいと思った。