「そら」
それは絵本の中の夢物語。
青く明るく、無限に広い世界。
幼い少女、クーニャにとって、
「そら」は何よりも憧れでした。
ある日クーニャは、「そら」の夢を見ました。
大好きなおかあさんと一緒に、
青くて大きい「そら」を見にいく夢を。
クーニャが朝のおつかいから帰ってくると、
親友のナツメがミズハ村から遊びに来ていました。
家でおかあさんが待っているとクーニャが伝えると、
家の中には誰もいないとナツメは言いました。
たしかに家の中におかあさんはいませんでした。
代わりに手紙が残してありました。
そらを みにいってきます。
おかあさんより
── たったこれだけの短い手紙。ごはんは作りかけ。
一体何があったのでしょうか…?
ひとまずミズハ村に行こう、とナツメは提案しました。
ナツメのおじいちゃんはミズハ村の村長。
きっと何か知っているはず。
クーニャは数年ぶりに家から離れ、
ナツメと一緒にミズハ村へと向かうことにしました。
いきさつを聞いた村長はとても驚いた顔をしました。
「アブラゲ洞窟の奥に光る天井があるらしい」
…と、村長は教えてくれました。
ふたりは早速村を飛び出して、
「アブラゲ洞窟」に向かうことにしました。