音ゲーについて

2010 年 5 月 24 日 | カテゴリー: 中の人の戯言, 製作について

こんにちは、ビームです。ついに大学院入りしてしまい、ゲーム開発に割ける時間が減り続けていますが、そこはなんとか、時間を工面してがんばっていきたいなあと思いつつ、今は早く現プロジェクトを完了させようと必死です。現況終わり。

今日は音ゲー考察、というほどのものではないけど、考えたこと。

長いこと音ゲー作りをしているわけですが、もともと音楽ゲームが好きです。といっても広く音ゲーをたしなんでいるわけではなく、パラッパラッパーとか DDR (ただし普通のコントローラー) とか、そこら辺の音ゲーをよくやっています。「音ゲー」といえばこの「指定されたリズムに合わせてボタンを叩く」という形式がパラッパラッパー以来の伝統になっています。

今作っている音ゲーもこのタイプですが、この方式は音ゲーマー向けの内容になりがちです。自分が普通に音ゲーをやるのでついついそれでも満足してしまいそうになりますが、やはり音ゲーやらない人にやってもらいたい……という気持ちがあります。何とかならないかなあと模索中ですが、なかなか難しく……今回は妥協するかも。

音ゲーにしてもパズルゲームにしてもそうですが、こういうある種のスポーツ性を持つゲーム (かつ独自のルールを持つ物) はどうしても上手い人と下手な人の差が開きがちで、後者がジャンルから離れて行ってしまう傾向にあります。広く遊んでもらいたいと考えたとき、音ゲーの場合は「システムで調整する」か「今までの枠組みから外れる」かのどちらかの道があります。

上級者と初級者の溝をシステム調整で埋める、という方向でがんばっているゲームとして、音ゲーではありませんが「ぷよぷよ」があります。というかもろ影響受けていま(ry ハンデにしても、相殺にしても、フィーバーモードにしても、上手な人と下手な人が一緒に楽しめる工夫です。音ゲーはルール面では大きく違いますが、いろいろ盗めるんじゃないかなと考えています。

実はもう一つの道「今までの枠組みから外れる」にも大いに興味がありまして。おそらく音ゲーの未来はこちらがメインではないかと思います。これにも方向性が複数ありますが、一つは有名どころだと「Wii Music」とかその類ですね (まだやってないけど)。これはプレイヤーが演奏するというスタイルのゲームですが、音楽を楽しむゲームの方向性として今後の展開が楽しみです。

他には、他のジャンル形態に音楽性を付随させることで音ゲー化させるという方向もあります。個人的に好きなのゲームとして、ちょっと古いですが「Rez」があります。ゲームとしてのジャンルは 3D シューティングに入ると思いますが、プレイした人の多くは音ゲーとして扱っています (下にプレイ動画を載せておきます。まあ、布教です)。このゲームは、敵に玉を打つタイミングがクオンタイズされて (=強制的に16分音符のタイミングに合わせられて) 音楽と同期した音と効果が出る仕組みになっていて、振動と相まって、プレイ中はノリノリになってしまいます (ハイセンスすぎて好き嫌いが分かれるのが難点)。

YouTube – Rez Area 1 – Dreamcast game by SEGA UGA
Rez Area3 100%Clear-ニコニコ動画(9)

この「音楽と同期した効果」を取り入れるだけで、どんなジャンルのゲームにも音ゲー要素を加えることができます。たとえば「New スーパーマリオブラザーズ」なんかも、随所に BGM と同期した効果が取り入れられていました。こちらはプレイヤーのアクションとは直接絡まないので音ゲーっぽくはなりませんが、ゲームを楽しくする一因として使われています。もしなにかプレイヤーのアクションがそのまま BGM と絡むような仕組みを作れば、アクションゲームも STG もアクション RPG も格ゲーもパズルも、みんな音ゲーになります。で、音ゲー苦手、あんまりやらない、な人でもこの方面なら工夫次第でやってもらえるんではないかな、と思うわけです。この場合、何の上に音ゲー要素を乗せるか、下地にどんな親しみやすい物を持ってくるか、が問題になってきますけど、伝統的で堅い音ゲーの枠組み内でがんばるのに比べれば、だいぶ可能性が広がるんではないかと。

あと、これはどちらかというと内部的な話ですが、音楽と同期した効果を入れる場合、BGM 作曲者との密な連携が必要になってきて、いいなあということもあります。いつも BGM は作業が分離しがちですからね……本来ならグラフィック並にゲームの根幹に絡んできてもいいんじゃないかと常々思っていたり。

今のプロジェクトが完了して、次に別ジャンルの何かを作ることになったとしても、どうにかしてこの音ゲー要素を組み込んでやりたいと企んでいます。まあ、そういう妄想をする前に、今の企画をがんばらないといけないですけどね! 乞うご期待ですよ。

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