たまには論理について書いたっていいじゃない

2009 年 7 月 24 日 | カテゴリー: 中の人の戯言

どうもこんにちは。一部大学生にとっては絶賛試験週間の今週と来週です。

というわけで製作が1オングストロームたりとも進んでおりません、が、ブログ当番が廻ってきてしまったので、今やっている試験内容関連について個人的に面白そうな話でもしましょう。一部理系と奇特な文系以外は面白くないかもしれませんが…。

数学論理学の世界には「選択公理」というものが存在します。定義を述べると
「複数の集合からそれぞれ要素をひとつずつ選び出して新しい集合を作ることができる」というものです(集合は空でないとします)。例で考えてみましょう。学校のクラスを考えてください(0人のクラスはないものとします、普通そうですよね)。それぞれのクラスから1人ずつ生徒を選び出して新しいクラスを作ることができる、というのがこの公理の述べるところです。8クラスくらいだったら特に問題はないのですが、無限個クラスがあるとき雲行きが怪しくなってきます。
これは「公理」ですから認めるか認めないかは人により分かれます。何でこんなことを認めないのかという話ですが、これを認めると面白いこと(≒不思議なこと)がおこります。【球を何個かに分割して組み替えることで、元と同じ球を2つ作ることができる】とか【ビー玉サイズの球を分割して組み替えて、月サイズの球にできる】というものです(残念ながら実世界ではできません、ユークリッド幾何学での話です)。バナハ=タルスキーのパラドックスという名が付いています。ややこしさの根本的な原因は「無限個」にあるようです。有限と無限の境界は険しいですね。

ルベーグ積分の試験が面倒臭いという愚痴を目いっぱい引き延ばしただけですが、皆様のお楽しみの一助になれば幸いです。ではまた。

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